2022.08.11教えて!こんなとき
お客様の「物がつかめない」は指の痛みではない?!身体の声を聴くセラピストの対応は
お客様のカウンセリングで「急に物をつかむときに痛くなって」との言葉が・・・
詳しく尋ねると、
「力仕事もあるから、痛くなってきたのは疲労かと思っていたんです。ずっとシップしてたけど、物をつかむのも痛くなってきて。」
そこで、どういう動きをすると痛いのか伺っていきました。
「物をつかむ動作で使う筋肉や関節は腕に集中していますが、腕だけじゃありません。更に症状や動きをみて、身体の声を聴いていきますね」と言って施術を始めました。
いつもの「ゆがみチェック」で全体のゆがみを確認し、更に指、腕、肩を色んな方向に動かしてもらいました。
最初は、痛みがあるというので「腱鞘炎」かと思いました。医師ではないので病名はわかりませんが、手指や腕の症状には、「ばね指」「結節(指の変形)」、手首の腱鞘炎や手根管症候群、テニス肘やゴルフ肘などと呼ばれる肘の炎症、腕の炎症などがあります。
痛む場所やその引き金となっている場所を、ゆがみチェックと身体の声を聴いて探していきました。
すると「肩、背中、肘、指」の施術が必要とのこと。
お客様が物をつかむときに痛いのは、指でも手首でもなく肘だったのです。
ベッドにうつ伏せになって頂くと、ゆがみは一目瞭然!
お客様はベッドの上でまっすぐな姿勢になっているつもりですが、かなりベッドの端になっていて、背中や腰がゆがんでいることが分かります。
更に、全体的な傾きもあり、これを正常に戻していくには、骨盤のゆがみと恥骨のゆがみを整えていくことが必要だと思いました。
「痛いのは腕なのに、腰なの?」と、お客様に質問されました。
もちろん腰が痛みの引き金になっているわけではありません。でも、腰は背中に、背中は肩に、そして腕に繋がります。
また、痛い腕をかばって生活しているので、その負担が腰や背中に影響を及ぼします。だから、腕よりも先に背中や腰を施術したのです。
背中や腰、骨盤、恥骨の施術を行うことで身体のバランスが整い、肩や腕のコリや緊張も緩んでいきます。
その後で、肩、肘、手首などの関節を調整し、疲労物質を除去して、動きやすい腕になるように整えました。
身体のゆがみ、こり、老廃物詰まりなどがあると身体のバランスは崩れて不具合が起きます。これをそのままにしておくと不具合が酷くなって、痛みやこり、冷え、痒み、発熱などの辛い症状になってしまいます。
また、痛みや症状を我慢して生活することで、痛くないところに負担をかけてしまうこともあります。
セラピストになった当初は、習った通りに施術するだけでしたが、身体の声を聴くようになってからは、身体が正しいと伝える方法で施術すると、どんどん整って、お客様から「痛くない」「楽になった」といって頂けます。
なりたいもんの幸せは、お客様の「辛いが楽なった」です。この言葉を頂くたびに幸せって思います。