2020.07.30身体の声を聴く
50歳だから考える「これからの生き方」とは /墨田区東向島の整体師&予防医療診断士&チベット体操講師
「久しぶり、元気だった」
以前勤めていた会社の友人たちとの食事会は、まるで同窓会。
同窓会と言っても、参加者の年齢はバラバラで、知り合った時は20代後半から30代だったと思う。それからもう20年くらい経っているので、みんな50代、60代になっている。
一年に1回もやらない食事会なので、「最後に会ったのは7年前かな」という参加者もいる。
職場の仲間だったせいもあって、話題は「最近の仕事」が多い。退職後15年経っている人もいるので、何社も転職した人もいれば、前の会社よりも長く務めている人もいる。
退職してずいぶんと経つのに、私が「会いたい」と思うのは、参加者がみんな「働くことが好き」で、「自立」しているからだ。
今回も、仕事の話や最近はまっている事などで盛り上がると思っていた。
「わたし、今、しゅうかつしているんだ」の一言に、みんなが注目した。
「えっ! 就職活動しているの? 会社辞めちゃったの?」と聞くと、
「違うよ、50歳超えたから終活しているんだよ」と答えた。
みんなは驚いて、一斉に質問攻撃!
「なにをやっているの?」
「どうしたの?何があったの?」
「まだ50代なのになぜ?」
「終活」と聞いて頭に浮かんだのは「エンディングノート」
以前、両親に渡して書いてもらったことがあったから。彼女も「エンディングノート」を書き始めたのだと思った。
しかし、彼女は「マンション売った」と言った。
この発言に、更にみんなは驚いた。
「ええ! じゃ今どこに住んでるの? 引っ越したの?」
「せっかく買ったのに、もったいないじゃない」
「年とってから住むところがなくなっちゃうよ」
50代、60代の私たちにとって、老後の住む家は大事な問題です。みんなはかなりショックを受けて不安顔になった。
彼女は、「終活」その経緯を説明し始めました。
「実は、甥っ子たちが成人したので、私のマンションをいずれもらってくれないかと聞いてみたの。そうしたら、どの子も「いらない」って言うのよ。そうすると、売却するしかないじゃない。私が死んでから売却してもらうと、甥っ子たちに手続なんかで面倒をかけることになるでしょ。持ち主の私がやっておくのが一番手間かからないの」
確かに、知人も同じことを言っていたのを思い出した。
知人は親が亡くなって、兄弟3人で相続した。親はマンションを持っていたが既に売却して賃貸の部屋に住んでおり、それも引っ越ししたばかりで家具などの大きなものは廃棄されていた。後は、預貯金と生命保険があるだけ。葬儀代、賃貸部屋の解約や家財の廃棄処分などは、この預貯金で賄えた。
色んな手続きはあったけど、現金化できるものばかりだったから、時間がかからずに相続できたということだった。
彼女はもう一度言った。
「不動産は持っていちゃだめだよ」
私以外、みんな持家マンションに住んでいる。だから、みんな困り顔になった。
そして、
「老後はどうするの?今の賃貸部屋にずっと住めればいいけど、新たに契約したくても老人には貸してくれないよ」
「定年退職したら、収入が減るじゃない。老後のお金が不安じゃないの?」
すると彼女は笑いながら
「大丈夫」と答えた。
実は、彼女は介護業界で働いている。介護士として訪問ヘルパーや老人ホームで働いたこともあり、今はデイサービス部門の管理職をしている。
この業界での経験が、「マンションを売っても老後は大丈夫」という彼女のバックボーンになっている。
「もし今の賃貸に住めなくなったら、都営住宅に住んでもいいし、働いている介護施設に入ることもできる。それに、高齢者への都市や国の手当ては厚くなっていて、その使い方や手続きはこの仕事をしているから分かっている」と自信たっぷりに語った。
更に、彼女の話は続いた。
「今の職場なら70歳過ぎても働けるのよ。自分より年下の利用者のケアをしている人はたくさんいるから。でもね、年配の介護士は我が強い人が多いの。そういう人には、ずっと働きたいなら自分の経験よりも施設や会社のルールに従うように指導しているの。私も、そうするつもり。それが仕事をするってことだと思うから」
みんなが「ちょっと羨ましい」という表情になった。
彼女は、「終活」だけでなく「就活」も考えていることが分かったからだ。
それから彼女は、私にだけ話してくれた。
それは、介護士だからこその話で、独身だからこその相談だった。
「今までは一人で、何でもやってきた。でも、これからは自分勝手に生きてはダメだと思った。介護が必要になった時や死亡した時は、甥たちの世話になるかもしれない。だから、出来る限り迷惑かけないようにしておきたいの。それには、健康で介護なしでいられる身体でいたいの。どうしたらいい?」
なるほど。整体師の私に終活の手伝いをしてほしいということだった。
50歳の節目に私が考えたのは、「病気、けが、老化、ストレスに負けない身体になる」こと。彼女の「健康で介護なしの身体」になる終活に、私の出番が来た。
病気・けが・老化・ストレスに「負けない身体になる」ことは、彼女だけでなく、健康で介護なく、生きいきと過ごしたい方のサポートになると考えました。なりたいもんでは、
など、お一人おひとりに合った施術とセルフメンテナンスを提供します。
もちろん、彼女にもご来店いただき、彼女の身体の声を聴いて施術していきます。