2020.05.21身体の声を聴く
「当たり前」で傷ついた心を身体から元気にする/墨田な区東向島の整体師&予防医療診断士&チベット体操講師
私が以前いた職場のスタッフがメンタル疾患になったことがあります。いつも元気に仕事をしていたのに、体調を崩して出社できなくなり、最終的には休職することになりました。
私は何が原因だったのかと考えましたが、高圧的な態度をとったこともなかったし、私と話していて辛そうな顔になったことは思い出せませんでした。
でも、いつも「先輩のようになれるように頑張ります」と言っていたことを思い出しました。
私はメンタルケアの講習を受けたり、カウンセリングを受けたりしましたが、この時は原因がわかりませんでした。しかし、その後、ようやく気が付きました。
私と比較しすぎて、自分に自信がなくなってしまった、自分を否定してしまったのではないかと。
私は「私」でしかないし、あなたは「あなた」なのに・・・
私は気づかないうちに、私の「当たり前」を押し付けてしまったのだと気が付きました。
それを気づかせてくれたのは、当時の上司でした。
この人は、私に指導するときに「簡単でしょ」「・・・すればいいだけ」と、簡単にできる仕事だと言いました。それは、私が難しいと気負わないようにという気遣いだったのかもしれません。
しかし、私がその仕事を間違ったり、違うやり方をすると、驚いた顔をしました。その顔が私には「なぜこんな簡単なことを間違うのか?なぜ出来ないのか?」と責められているように感じました。
つまり、この人が当たり前に「簡単だ」と思っている仕事は、私にとっては「当たり前」ではなかったのです。
そのうちに、この人が言うように出来ない自分がダメな気がして落ち込んでいきました。それで気が付いたのです。
私は「上司」ではないし、上司の「当たり前」は私の「当たり前」ではない。
落ち込むほどの「当たり前」は押し売りと同じです。しかし、悲しいことに「当たり前」だと思っている人は、自分の言葉や態度が相手にとって「当たり前じゃない」とは気づきません。ましてや傷つけているとは思いもしません。
だから、どんどん「当たり前」を押し付けてきます。
この押し売りに「当たり前じゃありません」と抵抗できればいいのですが、私はできませんでした。なぜなら、相手は悪気がなくて、私に必要だからと思っていると考えたからです。
しかし、そのうちに、心の凹みやわだかまりだけじゃなく身体が悲鳴を上げました。色んなところが痛み出したり、腰痛、肩こり、吐き気、めまい、冷え、脱力感、息苦しさ、ドライアイ、鼻づまり、かゆみなどのアレルギー症状、睡眠障害などなど・・・。
当時、これらの症状は、もともと気になっていたものや慢性的なものもあったので、「当たり前」の押し売りが原因だとは思っていませんでした。
しかし今は、これらが身体の声だと分かりますから、あの時の自分に「身体が悲鳴を上げてるよ、労わってあげて。当たり前の押し売りに負けない身体にしてあげて!」って、声をかけてあげたいです。
なりたいもんが施術のときに聴くのは、お客様の「つぶやき」「愚痴」「悩み」「不安」「希望」と、こういう身体の声です。
心と身体は繋がっているので、身体が元気になると心も元気になります。
「当たり前」の押し売りに傷ついた心と身体を元気にする施術を行うことで、お客様が笑顔を取り戻すこと。それが、なりたいもんがなりたい職人の施術であり、「負けない身体になる」施術です